道端の鳩

突然の鳩のフン

欲しいカメラがあってぐるぐるする

カメラが欲しい。欲しいのだ。

現在の手持ちのカメラ構成はこうだ。メインがNikon Coolpix P7100、望遠用として富士フィルムFinepix F800EXR、SNS用途でのメインスナップシューターにiPhone5、そして数日前にLumia1020をポチったところ(未到着)。なおデジタル一眼レフとしてはオリンパスE-420も持ってはいるがほとんど使っていない。

この手持ちではなにか物足りない。物足りないから新しいカメラが欲しい。そんなふうになんとなくカメラが欲しくなってしまい、ここ数日価格.comと各レビューサイトをぐるぐる回る日々が続いている。そのなんとなく欲しいという漠然とした考えながら、欲しい機種に上がった候補はこれらだ。

NikonのD5200、CanonのEOS kiss X7i、PENTAXのK-5IIs、富士フィルムのX100s、そしてシグマのDP1~3 merrill。

自分で挙げといてなんだがまったく一貫性のないカメラ群である(苦笑)。なんとなく欲しいなんて曖昧模糊な欲求で物色した結果である。

もし自分に余りあるほどお金があればすべてお買い上げするところだが、現実はそう甘くない。であれば、自分がどんなカメラを欲しがっているのかもう一度よく検討する必要があるだろう。というわけで今こうして文字に起こしているわけである。

まず現在のカメラ構成を考察すると、いずれもコンデジであることが特徴である。これはカメラの軽さ、コンパクトさこそ重要であるとの考えの元買ってきた結果である。もっとも前述したようにE-420も持ってはいるのだが、これが実は始めてのデジイチであり、そして「重いなあ、かさばるなあ」と思って持ち出さなくなってしまったカメラでもある。まあ暗所性能が著しく悪いということもあるのだけど。したがって、軽くてコンパクトなカメラを自分は求めていると考えると上で挙げたもののうち当てはまるのはX7i(コンパクトではないが)、X100s、DP merrillである。

次に考えるのは現在のカメラの画質である。手持ちの中でもっとも良い画質であるのは言うまでもなくP7100だが、所詮センサーサイズは1/1.7、1インチにも満たなければAPS-Cやフルサイズに勝てるわけもない。画質という点では、上に挙げたカメラたちはどれを買っても今よりは良い画質であることは間違いない。しかしながら、その中でも群を抜いて画質が良いであろうカメラがDP merrillである。ベイヤー配列とは根本的に違う、原理的にそもそもローパスフィルターを必要としない三層構造Foveonセンサー。スマートフォンのイメージセンサーににわかに詳しくなってしまった身としては一度は手を出してみたいと思ってやまないセンサーだ。

さて、ここまで見るとD5200とK-5IIsが不在である。ではこれらを欲しい機種に挙げた理由はなにか。それはやはり一眼レフへの憧れであろう。レンズを交換すればあらゆる画角に対応でき、しかもコンデジでは表現しえない高画質を出力できるこの万能感。ボディとレンズの組み合わせが無限の可能性を見せてくれるだろうという夢想。D5200ならそのAFスポットの数から動物などの被写体も逃さないのではという期待、K-5IIsならシャッターの静音性とカリカリの高解像、そしてなによりフラグシップであるということ、これらが「欲しい」と自分に思わせている原因であろう。しかしてその万能感、夢想は現実のものとなりうるか。それは否、ではなかろうか。レンズ一本の値段も馬鹿にならないし、なにより重いということは今までの自分から考えれば持ち運ばなくなるという危険性をふんだんに孕んでいる。

であれば、候補はX100sとDP merrill、一応三番手にX7iという感じに絞られてくるわけだが。画質のことを考えるとX7iはいくら軽いシステムとはいえエントリーモデルということで画質は犠牲になっているし、除外かなあと思う。するとX100sとDP merrillの一騎打ちである。

この二機種(merrillがそもそも3機種だけど)は比べるとだいぶ異なるカメラである。X100sは光学ファインダーと電子ファインダーをミックスしたファインダーを載せており、カメラ然とした撮り方ができるカメラである。一方のDP merrillはなんというか、これはあくまで個人的な見解だがカメラではないなにか別の、目の前の風景を写しとる機械という印象を受ける。なぜならファインダーもなければこのカメラの見た目は「箱に筒がついている」といった感じでとにかくカメラらしくない。しかしこのシグマレンズとFoveonセンサーから吐き出される絵を見るとそれはそこらの一眼レフでは到達しえないようなパリッパリの写真なのだ。ゆえに、X100sは一台の完成されたカメラとして撮ることの喜び、所持することの喜びを得るカメラであるのに対し、DP merrillは「超高解像」という結果を得るための機械だと言えるのではないだろうか。

ではどちらを選ぶかというと、自分の中ではまだ揺れている。まあ購入前にこうやってぐるぐる考えるのも楽しみのひとつだし、こうして整理しても多分しばらくはぐるぐる考えてるんだろうと思う。つづく(?)。