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道端の鳩

突然の鳩のフン

AV Watchのα7R IIの「全画素読み出し」の解説がどうもおかしいので指摘してみる

 僕はハード屋じゃないのでハードがどのように処理をしているかまでは資料で読む程度でしか分からないのだけど、まあまずはAV Watchの該当箇所を引用する。記事自体はα7R IIの動画性能を解説したものだ。

では全画素読み出しではない読み出しとは何か。本機のセンサーでは、フルサイズ領域で16:9を読み出すと、7,952×4,473ドットもの数になる。本来はこれだけの画素を1/30秒ごとに全部読み出し、縮小・補間処理をかけて3,840×2,160ドットに減らし、4K記録する必要がある。だが全画素を転送するには速度も足りないし、画像処理能力も追いつかないので、センサー内で4ピクセル分を1つにまとめて、転送量を減らす。

これが全画素読み出しではない “画素加算読み出し”② だ。画素数の多いセンサーの割には、その多画素を実際には使ってないということになり、SN比 や解像感の面でデメリットが出る。ただフルサイズ領域を使えば、それだけレンズの全域を使えることになるので、広角側の絵を撮る際には有利だ。

一方APS-C領域では、5,168×2,912ドットを全部読み出し、プロセッサで縮小・補間処理を行なって3,840×2,160にまとめる。したがって原理的にはSN比も上がるし、解像感も上がるはずだ。ただし読み出し領域がフルサイズよりも狭くなるので、せっかくフルサイズ用のレンズを使っても、真ん中あたりしか使われないことになり、画角としてはおよそ1.5倍狭くなる。

 疑問点にはアンダーラインを、指摘点には太字を、またそれぞれ数字を割り当てた。

 

①について

 初めに、僕はこれは「画素混合」のことであると思ったのでそれを前提として書いていく。「画素混合」の説明として間違っているとも言えないが、後の「全画素読み出し」の説明で用いられる「縮小・補完処理」と、「4ピクセル分を1つにまとめて」がどう違うのか文から読み取れない。この説明が「画素混合」の話であるとして、東工大の奥富・田中研究室の説明から引用すると

画素混合とは,データ量を削減させるための技術である. 右図は,ベイヤー配列を有する画像素子に対して,9画素混合を適応する場合の例である. それぞれ,色のついた9画素が混合(平均化)されて,1つの画素値として出力される. 従って,読出す画素数は全画素読出しに比べて,1/9になる. 読出し速度で考えれば,9画素混合により読出し速度は9倍になる. 実際,この9画素混合は,現在市販されているディジタルカメラにも利用されている技術である. また,右図からもわかるように,9画素混合によって等価的に受光面の面積が9倍になると考えられる. そのため,高感度撮影といった応用にも利用されている. 画素混合の欠点は,当然ではあるが画素数が減少すること,空間解像度が低下することである.

http://www.ok.ctrl.titech.ac.jp/res/PM/Images/NormalPixelMixture.png



Pixel mixture (画素混合) 

注:つまり上図の白い背景の画素は読み出されていないということ

 

この引用元では9画素の混合の場合で説明されているが、n画素でも基本的には適用される説明だろう。つまり、データ量を削減するために一定の画素を読み飛ばした上に、Gの画素であればGのn個の画素をサンプリングし、平均化することで1画素として用いるということだ。

 

②について

 上記引用より、 “画素加算読み出し” という説明は画素混合(平均化)の説明と合わない……と、おおーっとここでちゃんとぐぐった結果を見てみると、ソニーさんは「画素加算」という言葉を使ってるんだね。AV Watchさんはそれを引用しただけかもしれない説が今この記事を書きながら浮上中。それにしても、「加算」という言葉をここで用いるのは簡単な画像処理(例えばフォトショップとかで)をしたことがある人なら違和感を覚えるはずで、例えばR126とR130を加算したらどうなる?と考えると当然R255の真っ赤になるよね。R128にはならない。やはりここで正しい処理は「加算して割る」すなわち平均化、画素混合であるはずだ。加算という単語が出てくる理由が僕の想定できる範囲ではよく分からない。

 

③について

 上記引用でも解説しているが、「画素混合であれば」平均化が行われるためSN比上がるはずである。AV Watchの記事では確かに全画素読み出しのほうが高感度に優れているように見えるが、これはおそらくは単純に全画素読み出しのSN比改善が素晴らしいということで、画素混合の方法もフル画素を4Kやそれ以下の解像度に落とし込むのに決して悪い方法ではない、ということを言いたかった。なのでデメリットという書き方はうーん、と思って疑問点に入れさせて頂いた。

 

 以上、僭越ながら疑問やおかしいと思った点を指摘させて頂いた。トンチンカンなことを言っていたら申し訳ない。記事を書きながら資料等を読み込んで色々とそういうことなんだなあと勉強になって良かったと思っている。しかしまあ、時代は4Kなのだなあ。4K動画が撮れるカメラもそうだが4Kを観れるディスプレイとPCスペックが欲しいなあと思う今日この頃である。4Kを観れるスマホ?うーん…