「のび太とキテレツはいとこ」はデマ
昨日ツイッターを見てたらこんなツイートが流れてきた。
のび太とキテレツっていとこだったの!? pic.twitter.com/r0TiS2LQX4
— SBM@Living Dead (@aivinvip) 2015, 2月 25
んなわけあるかいな、と思ってまず「のび太 キテレツ いとこ」で検索するといくつか記事はヒットするんだけど、いずれもこのツイートをソースにしたまとめサイト。『のび太とキテレツはいとこであることが判明!』みたいなタイトルつけちゃって。
もうねアホかと、とは思いつつも、これを否定する材料はこれより昔の記事がヒットしない、ということくらいだったので、なにか他に手がかりはないかなーと改めて探したら上のツイートのリプライ欄にあった。
@aivinvip これは昔、台湾で無許可で描かれた作品をある同人サークルの方が日本語に訳した物です。 http://t.co/sku8QqbXvT http://t.co/BBQWTHCsij
— 葛市呂 (@kuzusiro) 2015, 2月 26
まずこのツイートの1番目のリンクを見ると
青文出版社の『ドラえもん』第190巻に収録の作品「キテレツと宇宙探険 その1」「キテレツと宇宙探険 その2」の和訳を紹介します。
とある。どうやらこの青文出版社というのは台湾の出版社らしいがイマイチ素性が知れないので、上のツイートの2番目のリンクにあるpdfを参照してみると
台湾に初めてドラえもんが紹介されたのは 1976 年
しかしながら、1983 年、台湾ではこの連載のストックがつきることとなる。結果的 に、台湾はドラえもんの自主制作を始めることとなった。
また1992年より小学館が台湾にてドラえもんを出版したともあるが、1番目のリンクの和訳サイトはこのドラえもん190巻は1990年8月4日出版であると紹介しているので(このサイトが嘘をついていない限り)これは海賊版であると言える。それにそもそもドラえもんは全45巻であるので190巻など存在しない。(ドラえもん - Wikipedia)
更に2番目のpdfのリファレンスにある記事でも、青文出版社版ドラえもんはよく出来た海賊版であると紹介されている。(映画ドラえもん最新情報「映ドラん」 : 【日記】素晴らしき海賊版ドラえもんの世界)
そういうわけで、これらの否定材料を否定するものが出てくる可能性は極めて低いと思われるので「のび太とキテレツはいとこ」はデマであると結論する。僕のブログを読んでくれているような諸兄には余計なお世話だったかもしれないが、念のため騙されないように。
しかしながらこの海賊版、本当によく出来ているし235巻まであり大長編ものまであるとなると読んでみたい気もする。先の和訳サイトがその他の回も翻訳してくれているので、暇な時に読んでみようかなあと思う。(海賊版の和訳って著作権どうなんかなというのは置いといて)
【追記】
この記事はあくまで「青文版ドラ」と「ドラえもん」は別物であるということを示さんとするもので、「青文版ドラ」自体を否定するものではない。また、当時の台湾での海賊版の適法性もそもそも論じていない。またいずれのソースもあくまでネット上のものであり、単体に十分な信頼性を置くことはできないために複数の異なるソースから引用、リンクした次第である。